青空が君を笑顔にするまで


慌てる様子もない保健室の女の先生は俺にそのまま花井を静かにベッドへ寝かせるように促した。

 

保健室の先生が慣れた手つきで血圧を測り、体温を測っていく。



「うん。血圧も体温も大丈夫そうね…。よしっ!」


「よかった」


俺は心底本当に安心した。


目の前であんな風に人が倒れ、俺は一瞬パニックになりかけて、一心不乱だった。


花井を抱きかかえながら保健室に着くまで俺は自分に呪文をかけるように『落ち着け……落ち着け……』と心の中で何度も繰り返していた。



「でもね、花井さんこんな風に倒れるの初めてじゃないの。中学1年生の時もね、3回ぐらい倒れたのよ」


俺はそのまま黙って聞いていた。