青空が君を笑顔にするまで


きっと、花井はずっと俺を見ていたんだろう。



花井が凄いスピードで走り寄って来て『ダメ、ダメ、ダメ!』と俺の持っている封筒の口を手で慌てて塞いだ。



俺は少しお伽噺に出てくる浦島太郎になったような気分でまるで玉手箱のような物を受け取った気分だった。



そうこうしている内に、花井の顔色が悪くなり、俺の目の前で倒れた。


俺が話しかけても花井は蚊の鳴くような声で『お腹が……お腹が……痛い……』と言って苦しそうな様子で。


俺はそんな花井を抱きかかえて保健室へ急いで走った。