水嶋が俺の肩に手をまわし「そんなに急いでどこに行くんだよ?」と言ってきた。
「べつに……」俺は冷たくかわした。
今度は石月がひょいっと軽く俺の鞄を取り上げた。
続けて石月は意地悪な顔をしながら「言わないと、鞄を返さないからな!」と俺に挑戦的な目で言ってきた。
人を待たせることが嫌いな俺は、こんな時に冗談はもう止めてくれよと内心少しイライラし始めていた。
「急いでるんだ。早く、返してくれ……」
石月が「そんなにお急ぎで、お前、本当にどこに行くんだ?もしかして、誰かと待ち合わせをしいてるのか?」と言った。
暫く水嶋•石月•俺の押し問答が続いた。
俺はもうこれ以上やってられないと思い。
条件付きで場所を言った。
「体育館、女子。だから、お前ら絶対についてくるなよ!たった今から、さっさと帰ること!」
意味深な笑みを浮かべる水嶋と石月。
俺は石月から自分の鞄を奪った。
水嶋と石月が交互に「体育館!」「女子!」と連呼する。
「うるさい!」と俺は叫んだ!



