創ちゃんのお母さんが来るたびに私は創ちゃんとの喧嘩がエスカレートしていった。
創ちゃんは長男一人っ子。
いつも創ちゃんのお母さんの話を聞いていると。
創ちゃんは両親に凄く大切に育てられてきた事が伝わってくる。
創ちゃんのお母さんの事を少しでも創ちゃんに悪く聞こえようものならば。
創ちゃんの導火線に火が付き、怒りが爆発する。
私はそんな創ちゃんが苦手。
私はもう限界。
2年6ヶ月の結婚生活に終止符を打とうと思った。
「創ちゃん、離婚しようか──」
一枚の薄い離婚届の用紙を机の上にそっと差し出した。
創ちゃんが黙ったまま離婚届の用紙をじっと見て立ち尽くしている。
落ち着いた声で私は創ちゃんの名前を呼んだ。
「……創ちゃん?」



