マフラーが手放せなくなった寒い冬。 どこぞの知らないカップルたちが、 互いを温め合うように歩いているのを後目に、 僕は、ポケットの中のカイロを強く握りしめた。 まるで、もう得ることの出来ない、 ぬくもりを得ようとするかのように。