ベルガモの棘

~日高玄人目線~

今日は俺が部長を勤める営業部に

新入社員が配属されるらしい。

確か名前は粟野まりだったはずだが...。

どんな人なのだろうかと考えていると、

1人会社の前で

立ちすくんでいる人がいた。

「どうした?大丈夫か?」

そう聞くと彼女は

『大丈夫です』

と答えたが表情は強張っていて、

とても大丈夫そうには思えなかった。

そういえば今日は飴を持ってきたが、

好きだろうか。

そう思い、

手を出してというと彼女は不思議そうに

手を出してきた。

俺はいちご味の飴をあげた。

俺は飴だといちご味が1番好きだ。

甘酸っぱさが癖になる。

別に甘党という訳ではないんだがな。

飴を渡した時時計がみえた。

やばい、もうすぐ朝の会議が始まる。

急いでいた俺は

彼女の名前を聞く事が出来ずに

会社に入った。

彼女とはまたすぐに会えた。

まさか営業部に配属されていたとは 

思わなかったが...

彼女も俺がわかったのか

笑いかけてきた。

なんて可愛らしい子なのだろう

彼女の第一印象はまさにそれだった。
 
新入社員歓迎会は、

約1ヶ月後に開催となった。