ベルガモの棘

そうか...蓮の家に泊まったんだった。

いつもとは違う天井を見上げ

私は目を覚ました。

すると、
 
〈おはよう〉

と蓮が耳元で囁き

ふぅっと息をかけてきた。

「ひゃっ」

私はくすぐったくて声を出してしまうと、

〈朝から変な声出すなよ〉

そう蓮は楽しそうに言った。
 
「何それ、」〈何だよ〉

言い合いをしているうちに  

なんだか段々面白くなってきた。

蓮もそうなのか

笑顔になっていた。   

私はそんな蓮に癒された。

今日も会社に行かなければいけない。

彼と最後はあんな風になったので

あまり顔を合わせたくなかった...

「じゃ行ってくるね」

蓮は私を心配そうに見つめて

〈いつでも来て良いからな〉

と言った。

蓮は私にとって最高の幼なじみだ。

でも蓮は私を

幼なじみだけの関係と

思いたくないという事を

後に知る事となった。