ベルガモの棘

彼女は自分を責めているのか 

泣いてしまった。

泣いている姿の彼女さえも

"俺一人の物にしてしまいたい"

そう思った俺は  

恋心がひねくれているに違いない。

彼女は今日俺の家に泊まる事になった。

彼女が俺のパジャマを

ブカブカに着ていた。  

"なんて可愛いんだろう"

自分の理性を保つのに必死だった。

しかも、 

一緒にベッドで寝る事になった。

俺は嬉しくて嬉しくて

隣で寝る彼女を抱き締めてしまった。

あ、しまった、

そう思った俺は

「おやすみ」
 
そう一言告げた。
 
もしもまた、

その既婚者の奴がまりを泣かせたら

絶対に許さない

彼女の為なら

俺は何だって厭わないから。