ベルガモの棘

ー蓮目線ー
まりは小さい頃からの幼なじみだ。

彼女は昔から天真爛漫で

誰からも愛される女の子だった。

俺も勿論彼女の事が大好きだった。

でもこの感情が恋だと知ったのは

彼女に初めて彼氏が出来た時だ。

その彼氏は最低な人だった。

よく目移りして浮気をするし、

彼女を傷つけてばかりいた。

そんなあいつにムカついたのもあるが、

指一本触れさせたくない

独占欲が出てきた。

これは恋なのか、

まだわからない年頃だった。

今思えば

あの時が彼女に恋をしている自覚を

持った時なのだろう。

そんな彼女が夜遅くに

今から会えないか、とメールがきた。

今までこんな事はなかったので

とても不安で心配になった。

話は何かと思えば、

既婚者を好きになった

とかを言い出した。  

"誰だ、彼女の心を奪ったのは"

怒りも最高潮になり

おかしくなりそうだった。