ベルガモの棘

私の涙はなかなか止まらなかったが、

やっと落ち着いた。

〈何があったのか話せるか?〉

これを言えば絶対否定される。

でも一人で抱えるには辛すぎたんだ。

「私の好きな人...実は...既婚者なんだ」

そう言うと蓮は少し声を荒げた。

〈そんなの駄目に決まってるじゃないか〉

そうだよね...

そう言われて当たり前だよね...

許される恋ではない、

最初からわかってたんじゃないか...

「でも彼、奥さんとうまくいってない...」

蓮は私の言葉を遮った。

〈もう言わないで良いから、
一度考え直しなよ、
本当にそれでいいのか〉

蓮はなぜか少し苦しそうに話した。  

考え直さないといけない...

せっかく彼と通じ合えたのに...

もうこの恋心を

"捨てなければいけないのか"