~side 都~


人前式とチャペル式を混ぜたような形にしたので、神様に誓う前に、自分で考えた言葉を、お互いに向けて誓うようにした。

それぞれ、自分で宣誓することにしている。
その後に、キリスト教式で神様に誓う。

これが、私たちが考えた、私たちらしい『結婚式』

人前でのプロポーズのようで、正直とても恥ずかしいのだが、『周囲への牽制になるから』と、修一さんが譲らなかった。
結婚式に来る女性の同僚に幸せを見せつければ、社内でもかなり抑止力になるとか。
確かにそうかも、と、私も覚悟を決めた。

『内容が難しいなら、よくある宣誓で構わない』と修一さんは言ってくれたし、私の宣誓はそれに準じた形。

そして、私が後になっちゃうと高確率で号泣しそうだから、普通と順番が違うけど、私を先にしてもらっている。


内容は、お互い 内緒。



☆  ☆  ☆


~side 修一~


お義父さんの所から祭壇前に上がって、司会の方が参列者に式の始まりを宣言する。

まず、2人で参列者に対してお礼を述べてから、まずお互いに対して宣誓すること、順番は都からということを俺が説明する。

揶揄うようなどよめき。
都は恥ずかしそうだが、俺は『どうだ、この幸せ、羨ましいだろう!』という気持ちだ。

牧師さんから既に預けておいた宣誓書を受け取る都。

ちょっとおどおどした様子も可愛くて、知らず微笑んでしまう。

ふぅ、と一息ついた後、都は、仕事の時のような凛々しい表情で。

でも、色んな感情を抑えたように、微かに震える声で、宣誓の言葉を紡ぎだした。


「私、橋本 都は、夫、三上 修一を、いついかなる時も支え、寄り添い、生涯、私の全身全霊で守ることを誓います」

宣誓書に落としていた視線を、俺に戻すと、そこには少し潤んだ眸。
俺と目が合うと、幸せそうにふわっと微笑んだ。

息が詰まる。目の奥が熱くなって、不覚にも涙しそうになる。


こんな男前の宣誓を貰えるとは。
そう、いつでも、都は俺の想像の上を行くのだ。


ふう、と、大きく息を吐いて、涙を何とか奥に押し込んで。


ーーー今度は、俺の番。

牧師さんの方を見ると、俺の宣誓書を渡してくれた。