〜side  都〜

私たちの式は、参加自由。
ホテルの中央の吹き抜けの所に、祭壇が設えてある。

椅子も用意してあるけど、広いスペースそのものを使うので、全然関係ない人も見れるのだ。


父さんに導かれ、祭壇前で待つ修一さんのもとへ、一歩一歩進んでいく。

修一さんとエスコートを変わる直前で、父さんと目が合う。
少しだけ寂しそうな顔をして、幸せになるんだよ、と、私に呟く父さんに、らしくないけど一度ぎゅっと抱きつく。

ーーこの胸に、守られてきた。
今なら、それが分かる。

だから、父さんに精一杯微笑んでから、修一さんの隣に並ぶ。

私は、もう幸せだから。
絶対に、大丈夫。



☆ ☆ ☆

〜side  修一〜


お義父さんにエスコートされて、俺の元にゆっくりと進む都。

ヨチヨチ歩いてた頃も、お義父さんと手を繋いで歩いていたことだろう。

何度か橋本家にお邪魔した時、お義父さんは酒を呑むと、必ず都の小さい時の話をしてくれた。

直接言われなくてもわかる。
娘を頼むと。
大切にしてくれと。


今、お義父さんから俺に託された都。
任せてください、と、視線に込めて。

ーーーお義父さんは、微笑んでくれた。