入場した後のどよめきと歓声。
その全てが俺たちに好意的で、正直驚いた。
陰で色々言う人達を、見てきたから。
会社の事務の槙原然り、フットサルのマネージャー然り。
でも、ここの人達は、都の友達だということがよく分かる。
暖かい人達だ。
立食パーティーで、乾杯の後、質問形式で俺たちの馴れ初めやお互いのどんな所が好きか、などを話して。
会はどんどん盛り上がっていった。
女性は10人くらいだったが、都の隣の俺を見ると一瞬、眸に色が見える人もいたけど、それはすぐに消えていった。
──都が、どれだけこの場の友達に愛されているか、それだけでよく分かった。
「ちょっとミヤをお借りしますね!」
と、女性たちが少し離れたところに都を引っ張っていく。
女性たちは、『ミヤ』と呼ぶらしい。
ふんふん、と情報を頭にインプットしていると、幹事の伊沢くんが声をかけてきた。
『こちらも、男同士で話しましょう』というわけだ。



