二秒ほど凝視されて、我に返ると、彼は慌てたように頭を下げた。
そして顔を上げると、人好きのする笑顔で口を開いた。
「はじめまして、みやっち…橋本さんの悪友やってます、伊沢です。
いやぁ……ちょっと、ビックリしちゃって。
すみません」
「だから、最初に言ったでしょ。
凄く格好いい人だよって!」
都が自慢げに言う。
それを見て、ちょっとしたモヤモヤは全て吹き飛んでしまう。
愛する人に、『格好いい』と言われて、それも他の男に自慢されて、嬉しくない男が存在するだろうか?!
「いや、想像の遥か上を行ってたから。
──メンバー厳選しといてよかった」
後半、ボソッと呟いた言葉は、俺には聞き取れたけど、都には聞き取れなかったようで。
「何ゴニョゴニョ言ってるの?
ぼちぼち時間なんじゃない?」
不思議そうな表情で、伊沢くんを見る。
「あっ、ああ、皆もう揃ってるから。
慌てたようにそう言って、伊沢くんは俺たちを入り口に誘導した──



