午後になり、昼食を終えて自分の席に戻るも、二人共まだ自席に戻っていない。

会議が長引いているのか…それとも会議の後に、二人で遅めのランチでも食べに行っているのかも…。

どうかしてる。

ともすれば、こんな風にいつの間にか二人のことを考えている自分に嫌気がさし、気持ちを切り替えるように、昼前にスリープにしておいたパソコンを立ち上げた。


【受信メール一件有り】


珍しく自分宛にメールが1件届いているのを確認し、中身を開くと、送り主は営業一課の須賀君から。


”お疲れ!例の件、どうかな?順調か?忙しいのに面倒なこと頼んでごめん。明日の朝一で取りに行くので、悪いが人数分の資料、30セット頼みます。もちろんこのお礼はたっぷりさせてもらうから。頼りにしてるぞ!

追伸 若手ホープの未来君にもよろしく!”


メッセージを読み終えると、忘れかけていた大事な案件を思い出した。

そうか、今日はもう木曜日…須賀君との約束の期日は明日だ。

自分自身が、思いのほかこの件について失念していたことに少なからず動揺し、とにかく未来君本人に進捗を確認しようと席を立つと、そのタイミングで川越主任に声をかけられる。

『倉沢』

珍しく神妙な面持ちの主任に、なんとなく嫌な予感がした。