『さて、じゃあ今年も例年通り、所属上司とは別に、3年目の社員がサポートとしてつくから、仕事のわからないことやそれ以外のいろいろな相談なんかは、彼らに聞くように…あ~っと、関と倉沢!』
『はい』
『えっ…あ、はいっ』

名前を呼ばれ、直ぐに返事をする関君の隣で、慌てて付け足すように返事をすれば、課内の視線が一斉にこちらへ注がれる。

『今年度は、関は落合さんを、倉沢は簑島君を、しっかりサポートするように、いいな?』
『わかりました』
『サ、サポート…』
『どうした倉沢、不服か?』
『い、いえ…あの、頑張り、ます』
『おいおい、しっかりしてくれよ。頑張るのは、新人の方だぞ?』

主任が冗談めかして言えば、周りで笑いが起きる。

隣の関君は、呆れたようにこちらをみては、その口元が”バカ”と動いたように見えた。