私自身が、関君には落合さんのような人が似合うのだろうと思っていることを、見透かされた気がした。

『別にね、心配したわけじゃないのよ。選び放題だった中で朱音を選んだ時点で、関君の人間性はわかってるつもりだから。ただ朱音が、恋人のこういう噂が立つのって嫌だろうから、先に耳に入れておいた方が良いかなって思っただけだし』
『うん、気遣ってくれたんだね』
『そうよ、感謝しなさいよ。…本当は、皆に公言すればこんな噂も立たないのだろうけどねぇ…』

こちらの返答を伺うような紗季に、思い切り首を振り『それは絶対、ダメ』と強く否定する。

仕方なく肩をすくめる紗季。

『まぁお互いが問題ないなら良いけどね…って本当に大丈夫なの、あんた達?』
『うん、大丈夫。今週末だって、久しぶりに休日デートの約束してるし』
『ホントに?』
『嘘言ってどうするのよ』

そう。

最近、平日もゆっくり二人で会えていなかったからか、関君の方から、週末時間を作ってくれて、会う約束していたんだ。

私と関君は、こうやって少しずつだけど、”恋人”として近づいている。

『あ』

短い電子音と共に、テーブルに置いたままだった自分のスマホが、メッセージの受信を知らせる。