神様の初恋

「優愛……!」

必死にみんなを守ろうとする優愛の姿に、月夜は早く結界を壊さねばと拳を握る。優愛が霊に対抗する力を持っていても、霊の数は圧倒的に多い。優愛が押されるのも時間の問題だ。

『見つけだぞ。あの神の同居人……』

霊と戦う優愛の目の前に、黒沼が姿を見せる。優愛は『誰ですか!?』と警戒し、月夜は「優愛、逃げて!」と叫ぶ。しかし、優愛は一瞬にして黒沼に殴られて気絶させられてしまった。

「まずい!優愛が捕まった!」

映像を見るのをやめ、月夜は太陽に言う。太陽は学校中を覆う結界を見た後、月夜に笑いかけた。

「この結界、一瞬なら力を緩めることができる。その間にお前は学校の中に入って優愛たちを救ってくれ」

「……わかった」

月夜が頷くと、太陽は「頼んだぞ」と言い呪文を唱え始める。すると、太陽の手の中で巨大な炎が生まれていった。

「結界よ、解けろ!」

太陽は叫び、炎を結界に叩きつける。結界はグニャリと歪み、そこに大きな通り道ができた。しかし、ゆっくりと通り道が塞がっていく。