神様の初恋

「やっぱりお前もそう思ったか……」

月夜の言葉に太陽も頷く。そして二人は空へと舞い上がり、猛スピードで飛んでいく。目指すのは優愛の通う高校だ。

神と人が暮らしているなど珍しい。黒沼は優愛のことも知っているはずだ。狙われるとしたら優愛の可能性が高い。

ドクンドクンと月夜の胸が鳴る。無事でいてくれと月夜は祈り続けた。



優愛の通う高校は住宅街に囲まれている。月夜と太陽が学校の敷地内に入ろうとするとバチンと音が響いて二人の体が弾き飛ばされる。

「結界が張られてる!黒沼はやっぱりここにいるんだ!!」

太陽がそう言い、唇を噛み締める。月夜は学校の中の様子を見ようと力を使ってみた。頭の中に映像が浮かぶ。廊下や教室にたくさんの悪霊たちが飛び交い、物を破壊したり生徒たちを襲ったりしている。霊感のない生徒たちはパニック状態だ。

『みんな落ち着いてください!ッ!』

優愛がそう叫び、パニックを起こしている生徒たちを落ち着かせようとする。そして、襲いかかろうとする霊たちを自身が持つ力を使って防いでいた。