神様の初恋

掃除を三人で終わらせた後、三人は家の中に入って優愛の母親が作ってくれた朝ご飯を食べる。そして、ご飯を食べ終えると優愛は制服に着替えた。

「行ってきます」

青いチェックの制服のスカートを揺らし、優愛はかばんを手にして言う。玄関まで見送りに来た月夜は頬を赤く染めながら「行ってらっしゃい」と返した。玄関のドアが静かに閉まる。

姿が見えなくなり、あと数時間は優愛が帰ってこないことに月夜は寂しさを感じてしまう。そして、それだけ優愛が好きなのだと思い知らされるのだ。



優愛がいない平日の昼間は、月夜と太陽は神社のお手伝いをして過ごす。そして空いた時間に二人で剣術の稽古をするのだ。

「やあっ！」

「月夜！力が入りすぎてるぞ！」

この世には、悪霊や悪い妖怪も多く存在する。それらから優愛やこの神社を守らなければならない。

「……少し休憩にするか」

太陽がそう言い、月夜も「そうだね」と言い汗を拭う。もう正午だ。