真っ暗な夜を ポツポツと照らす無数の提灯に、いつもより多い人の声。
小さな女の子がフワフワの甘いお菓子を片手に目の前を駆けていった。
押し寄せる人の波に不覚にもよろけそうになったり。
今頃、神社は参拝客でいっぱいだろうか。
湿った空気。 肌をゆるりとなでるような 頼りない風でも 今の私にはありがたかった。
一際 静かな屋台の裏側で、二人パーキングブロックに腰をおろした。
私の隣には 愛しいひと
友人が多い貴方を、二人きりで と誘うには 少々骨が折れたけど、
頑張ったご褒美が想像以上で…
苦労したことなんて 忘れちゃう。
さっき買ってきた焼きそばと、既に溶けかかっている かき氷とかで少し遅めの夕飯にしようかな。
「長いこと まわってたからお腹すいたよね。」
「うんー。食べよ。」
はーい、箸。 ありがとー。
二人で、焼きそばを 食べ始めた。
残された かき氷といえば…
忘れてるわけじゃないよ。二人とも溶かす派なだけだから。
貴方の食べてるとこも可愛い。
あ、食べ物 お互いに食べてると無言になるよね。
その場の賑やかな雰囲気にあてられた私は 唐突に口をひらいた。
「いつか結婚する?」
「えっ……。結婚!?えっ?」 私と!?
よほど、驚いたようで…今頃 口の中にいたであろう焼きそばが勢いよくフードパックに戻った。
反応が見てみたくて…ほんの少しの悪戯心が助長して…。
つい 思い切ったことを言ってしまった。
「いや、いつか 誰かと結婚するかなって、お互いにさ。貴方と結婚する人がどんな人か気になるな〜って。」
とっさに つくった私の言葉で 貴方が落胆してくれたら嬉しいのに。
まぁ、気になっていたのも嘘ではないけど…。
ちょっとは 意識して欲しいって、自分の願望が少し顔を出してしまったのも、まぁ あるよね。
「よしっ、嫁に来るかい?」
ニヤニヤした顔で、いつもの調子でたずねてくるものだからさ、
「え、逆じゃない? ははっ、毎日楽しく過ごせそうだね。」
私も いつもの調子で返す。 あー 幸せ。
それから また色んな話をしてさ、
貴方と過ごす未来を考えてしまって、幸せな妄想に さらにまた花を咲かせて。
こうやって 話してる 今が一番幸せなんだって、改めて 複雑な気持ちになった。
しばらくして、まだ隣で花を咲かせ続ける 愛しいひとを横目に、
「君にはもっと 素敵な人がいるはずだけどね。」
って。
極めて 小さな声で さらっと言った。
これもまたいつもの返し。
ただ、今日くらいは にぎやかな祭りの音で掻き消されてはくれないかと 神様に願ってみたりして。
小さな女の子がフワフワの甘いお菓子を片手に目の前を駆けていった。
押し寄せる人の波に不覚にもよろけそうになったり。
今頃、神社は参拝客でいっぱいだろうか。
湿った空気。 肌をゆるりとなでるような 頼りない風でも 今の私にはありがたかった。
一際 静かな屋台の裏側で、二人パーキングブロックに腰をおろした。
私の隣には 愛しいひと
友人が多い貴方を、二人きりで と誘うには 少々骨が折れたけど、
頑張ったご褒美が想像以上で…
苦労したことなんて 忘れちゃう。
さっき買ってきた焼きそばと、既に溶けかかっている かき氷とかで少し遅めの夕飯にしようかな。
「長いこと まわってたからお腹すいたよね。」
「うんー。食べよ。」
はーい、箸。 ありがとー。
二人で、焼きそばを 食べ始めた。
残された かき氷といえば…
忘れてるわけじゃないよ。二人とも溶かす派なだけだから。
貴方の食べてるとこも可愛い。
あ、食べ物 お互いに食べてると無言になるよね。
その場の賑やかな雰囲気にあてられた私は 唐突に口をひらいた。
「いつか結婚する?」
「えっ……。結婚!?えっ?」 私と!?
よほど、驚いたようで…今頃 口の中にいたであろう焼きそばが勢いよくフードパックに戻った。
反応が見てみたくて…ほんの少しの悪戯心が助長して…。
つい 思い切ったことを言ってしまった。
「いや、いつか 誰かと結婚するかなって、お互いにさ。貴方と結婚する人がどんな人か気になるな〜って。」
とっさに つくった私の言葉で 貴方が落胆してくれたら嬉しいのに。
まぁ、気になっていたのも嘘ではないけど…。
ちょっとは 意識して欲しいって、自分の願望が少し顔を出してしまったのも、まぁ あるよね。
「よしっ、嫁に来るかい?」
ニヤニヤした顔で、いつもの調子でたずねてくるものだからさ、
「え、逆じゃない? ははっ、毎日楽しく過ごせそうだね。」
私も いつもの調子で返す。 あー 幸せ。
それから また色んな話をしてさ、
貴方と過ごす未来を考えてしまって、幸せな妄想に さらにまた花を咲かせて。
こうやって 話してる 今が一番幸せなんだって、改めて 複雑な気持ちになった。
しばらくして、まだ隣で花を咲かせ続ける 愛しいひとを横目に、
「君にはもっと 素敵な人がいるはずだけどね。」
って。
極めて 小さな声で さらっと言った。
これもまたいつもの返し。
ただ、今日くらいは にぎやかな祭りの音で掻き消されてはくれないかと 神様に願ってみたりして。

