「あのなぁ…」


どこで死のう。


「じゃあ、他のこと聞くわ。なんでお前は殺して欲しいわけ?」


「死にたいから。」


死にたいから殺して欲しいに決まってんじゃん


「そんなに…死にたいのか?俺はどうしてそこまでして死にたいのかわかんねぇ。」


「死ぬ必要が…あるのか?死んだら全てが終わり…なんだぞ?」


何も…


何も知らないくせに…


「何も知らないくせに口出ししてくんな。」


殺して貰えないなら他のところに行くしかないな。


「じゃあ、私行くから。」


「あのさ、じゃあ最後にもうひとつ。」


ん?


「お前は生きたいと思ったことないのか?」


生きたい?


「そんなこと思ったことなんてない。1度も…」


「私は…」


その時だった。


ピリピリ…


未雨の携帯がなり電話とると


『あんた今どこにいんの?』


「どこって…知らない人の家。」


『はぁ?今すぐ戻ってきてよ!知らない人の家って危ないよ!!』


「今帰ろうとしてたよ。それより、どうしたの急に電話して…」


『急にじゃないわよ!もう授業始まるよ。』


電話してきたのは美月だった。


『お願いだから…心配かけないでよ…てっきり死んだと思ったじゃない…』


"死んだかと思ったじゃない"って…


「だから、死に場所が見つかったら死ぬって言わなかったっけ?」


『勝手に死ぬんじゃないわよ。それより、早くきなさいよ!』


と電話が切れた。


ハァ…ほんとに美月ってば。


「お前のことを心配してくれるやつもちゃんと居るじゃんか。」


「あんたに関係ない。死ぬと決めたからには死ぬの。」


「死ぬなよ。生きれ。」


生きれ?


「あんた昨日からそれ私に言うよね。無意味だってば。」


「命はそう軽々捨てるもんじゃねぇーぞ。」


軽々捨てるもんじゃない…か…。


わかってるよ…


あいつ…とっても変わってるやつ…


最後の最後に面白いやつに会えたな…