死にたがり屋の少女は暴走族と・・・

まぁ、訓練と言っても1体1でやり合う、いわゆるタイマンみたいなやつだ。


もっと、もっと強くならないと…


じゃないと霖也を倒せない。


そう思いながら、詩雨に拳を振るっていると


「未雨。落ち着け。」


手首を簡単に捕まえられ、そう言われた。


っ…こんな簡単に捕まるなんて。


「未雨は今、何考えてる?」


何考えてる?どういうこと?


「今の未雨じゃ簡単にやられるよ。」


簡単に…やられる…


それじゃ…ダメなのに…


詩雨の話を聞き、悔しくて自分の拳を強く握りしめていると


「未雨、姉さんは何を…誰を守りたいの?」


私は…


「私は璃羽都を…雷鬼のみんなを守りたい…」


「だったら、今の拳の振るいかたは間違ってる。」


「拳は憎しみや、苦しみ、欲望のために振るっていいものじゃない。それに心の中が焦ってれば焦ってるほど、拳は弱くなる。」


「未雨が今考えることはどうすれば霖也さんを…ヤクザを倒すかじゃない。どうやってみんなを守るかだ。」


そうだよ。


何考えてたんだろ…。


今まで間近で見てきたじゃない。


みんなの拳を。


学んだじゃない。


拳の正しい振るいかたを。


拳を振るう意味を。


「そうだね。」


「私、間違ってたよ。詩雨ありがと!」


間違いに気づかせてくれた詩雨に笑顔でお礼をすると


「大したことじゃない。」


照れ隠しのためか、詩雨は顔を私から逸らしてそう呟いた。