死にたがり屋の少女は暴走族と・・・


【璃羽都side】


俺には1つ下の希璃都と2つ下の璃莉(りり)、優しくて愛情をたっぷり注いでいくれた両親、幼なじみの蒼弥がいた。


いつも楽しくて、幸せな日々だった。


あの時までは。


俺が7歳になって数日たったある日だった。


両親は事故で他界してしまった。


それで俺ら兄弟と蒼弥は親戚の家に住むことになった。


蒼弥の両親と俺の両親は仲が良く、蒼弥の両親が亡くなった時に、蒼弥は俺の家で住むことになったため、おれの両親が亡くなった後、蒼弥も一緒に親戚の家に住むことになった。


父さんや、母さんはいなくなったけど…俺には希璃都に璃莉、蒼弥だっている。だから大丈夫だと思ってた。


希璃都は誰とでも仲が良く、誰とでもすぐに打ち解け合え、人の話を聞くのが上手い性格で俺ら兄弟の相談役だった。


妹の璃莉は男っぽい性格で、サバサバしていて思ったことはハッキリ言い、負けず嫌いな性格で俺とはよく喧嘩をしていた。


あの時もそうだった。


「だから、璃羽都がやったんでしょ?」


「俺じゃねぇーって!」


「じゃあ、他に誰がいんのよ!」


「俺が知るわけないだろ?」


いつものように俺は璃莉としょうもない事で喧嘩をしていたのだ。


「言っとくけど俺じゃねぇーから。もう時間だし、蒼弥行くぞ」


俺は璃莉と喧嘩したまま学校に行き、授業を受けているときだった。


「桐ヶ谷さん!!妹さんが…」


先生から話を聞き、俺と蒼弥は学校を早退してすぐに璃莉がいるという病院へ向かった。


俺らが病院へ着くと璃莉には酸素マスクがつけられ、体には切り傷らしきものがいっぱいついていた。


この傷…


「璃莉、大丈夫か?!」


「り…うと…」


良かった…生きてる。良かった…


「り…うと…朝は…ごめん。わた…し…」


「もう、喋るな、今は安静にしてろ」


喋ろうとする璃莉を止めるも


「今…しか…ないから。きい…て?」


璃莉?


明らかにいつもと様子が違う。