死にたがり屋の少女は暴走族と・・・

「あー!!」


「ん?」


「水族館行こうよ!!水族館!!昔、お父さんやお母さん、詩雨と私で行ったじゃん?」


「うんうん。そこにしよ!良いでしょ?」


詩雨に言うと


「水族館か…いいよ。」


とOKしてくれた。


「やった!」


水族館かぁ…。


楽しみだな。本当は家族4人で行きたかったけど、お父さんとお母さんは居ないから。


詩雨と楽しも。


「未雨…話変わるけどさ、」


「ん?」


急にどうしたんだろ?


と思い耳を向けると


「お前、本当に雷鬼を潰して良いのか?」


突然、詩雨は言い出した。


''雷鬼を潰してもいいのか?"か…。


そんなの分かんない。


「未雨は嫌じゃ無いのか?」


嫌じゃ…ない?


そりゃあ、雷鬼が無くなったら困るよ?


美月の居場所が無くなったら大変だし…。


雷鬼はみんなの…居場所だから。


璃羽都が言ってた。


雷鬼は様々な事情で家がない人、両親が居ない人…色んな人の居場所という事と、そんな事情を抱えた人たちの大事な家という事。


だから、雷鬼を潰せばみんなの大事な居場所を奪ってしまう。


だけど、それ以上に私は詩雨と一緒に居たい。


神様は乗り越えられる試練しか与えないって言うけど、それは違うよ。

だって…私にはこの試練…乗り越えられない。


詩雨は私にとって大事。


雷鬼はみんなにとって大事。


「分からない。どっちが正解なのか。」


私には…分からない。


そうやって頭を抱え悩む私を切なそうに詩雨は見て、部屋から静かに出ていった。


私はどうしたらいいんだろう。


そう考えながらその日はそのまま寝ることにした。