「そんなぁ、この島で1番アクセス順位の高いこの端末で使用できないなんて、どっかにこの端末より高いIDを持ってる端末があるって事?

まてよ、て、いうことは、

相手はほぼネットハックを完了しているから、

じき警備システムも横取りされて、

大変だ。今度は僕がシステムの敵と認識されちゃう。

それまでに何とかしないと、この部屋の排除装置が作動して僕が……」

 マイクロテイザーに撃たれて気を失う自分を想像して、頭を振る。

 まだ大丈夫だ。この部屋はあらゆる攻撃を想定して作られているはずだ。

 当然ネットハックも想定されている。

 何か対処法があるはず。

 ふと、赤いラベルで埋まっているコマンド一覧の中に、赤く染まっていないアイコンがあるのに気付いた。