また、EIG特殊工作部隊にとっても、無人の島に、予定外の人間がいたのである。

 部隊の存在が非合法である以上、目撃者は消さねばならなかった。

 7人のメンバーのうち、2人を目撃者の排除に割き、残り5人は、予定通り研究所内の探索とその指揮を行った。

「な、なんなんだよあいつらっ!ここって完全警備じゃなかったのかよ」

 麗輝は突然の銃撃からかろうじて逃げ切り、別荘の統合管理室へ逃げ込んだ。

 この部屋は島の警備システムや別荘内の環境管理を統括している情報端末があり、当然ながら九重電脳技研本社へのダイレクトラインを衛星回線、海底ケーブルの二重で保っていた。

「と、とりあえず、ここならしばらく大丈夫だろう。災害やテロ対策で、防護処理されてるって話しだしなぁ」

 麗輝は、宇宙船のエアロックを思わせる扉が電磁ロックされたのを確認して、部屋の端末を待機状態から復帰させた。

 壁一面のマルチスクリーンディスプレイに灯が点り、通常画面、つまり現在の警備システムの管理情報を映した。