ザッハの銃口から通常弾頭とフレシット弾が飛び出し、嵐の顔面を襲った。

 同時に、次弾の炸薬弾がオーバーヒートしたチェンバー内で暴発する。

 嵐は瞬間的に首をのけ反らせ銃弾を躱す。

 銃弾は嵐の額を掠めて、背後の壁を崩した。

 ザッハは、暴発してフレームの歪んだアサルトライフルを投げ捨てる。

 そのまま、無事な左手で、腰からスタングレネードを引き抜く。

 右腕は暴発の衝撃で痺れていて、しばらくは使い物にならない。

 戦闘服の防護能力が高かったのと、ライフルの暴発時の安全機構が働いたので、見た目よりはダメージは無かった。

 戸惑うように動きを止めた嵐に向かって、ザッハはスタングレネードを投げつけた。

 ザッハは、そのまま耳を両腕で塞ぎつつ、緩く湾曲した通路をサンディ達の方へ跳んだ。

 ゼロ時間に設定されていたスタングレネードは、空中で安全レバーが外れると同時に閃光と爆発音を嵐の目の前で発生させた。