「目標確認。シン、奴には分散して撃っても無駄だ。こっちの照準システムと同期して1点射撃するぞ」

「了解した」

 シンは、抑揚のない声で言うと、ヘッドセットの照準システムをザッハに同期させた。

 その視線の先には、麗輝を左肩に担いだ嵐の姿があった。

 対峙するたびに、ぞっとする存在だった。

 見た目はモンゴロイド系の十代半ばの少女の姿だ。

 だが、人形のような暗い瞳、全身を覆う幾何学模様の刺青、その動作に揺らぎは無く、機械的だ。

 機械的な動作と同期しているように全身の刺青が波打つように青く明滅している。

 1歩近付いてくるたびにぞわりと悪寒が走る。

 バイザーのHUDがシンとの照準システムの同期を確認した。

 狙うは・・・

 照準は担がれている麗輝に合わされた。

 トリガーは自動的に絞られた。

 二人の銃口から、通常弾、フレシット弾、炸裂弾が弾倉の全層からミックスされて撃ち出される。