俺の宝物は、お前の笑顔。


映画を見る約束の日がやってきた。


あたしは、顔を洗って歯磨きした後に、パジャマから青いチェック柄で控えめなフリルがついたワンピースに着替える。


……映画なんて久しぶりだなぁ。



「遅いぞ、ゆりあ」



映画館のそばへ行くと、もう3人は到着していたみたいだった。
宗馬が仁王立ちしていて、腕組みをしている。


二手に分かれ、あたしと愛菜でチケットを買う。



「ポップコーンは?」



「俺と健二は塩。ゆりあと久保田はキャラメル。2人で1個でいいだろ?」



「もっちろん!」



キャラメルと聞いて、あたしの声は無意識に大きくなってしまった。


周りを見ると、あたしのことをみんな二度見しながら歩いている。
うわ、ちょっと恥ずかしい。



「なんでいきなりテンションぶち上がってんだよ」



高畑くんもひいている。
まぁ、他人から見てもこんな反応されるからそりゃあそうか。



「ゆりあはキャラメルでできた人間だから」



そ、そんな紹介のし方ある?


だったら、おにぎりでも塩むすびが好きで塩味のキャラメルを好む宗馬のことを、あたしは『塩でできた人間』って紹介すればいいってこと?


ぜんっぜんピンとこないんですけど。


じーっと睨んでいると、愛菜が「あはは……まぁまぁ」と苦笑いしながらなだめてきた。



「つーか、時間がなくなるぞ。はやくしろ、みんな」



「オッケー!」



高畑くんの声に、あたし達はてきぱきと動いた。