俺の宝物は、お前の笑顔。


「相変わらず素っ気ないなぁ、お前は」



そう言ったのは、近くで弁当を食べている宗馬だった。



「お前こそ、あんなに女子に媚び売ってて大丈夫なのかよ」



「俺は別に媚び売ってるんじゃなくて、無視しないでいるだけなんだよ」



こいつが女子達に対してどう思っているかはどうだっていいが、俺は宗馬みたいには絶対にならないと思うし、なりたくもない。


宗馬のやり方は、特にこっちがなんとも思っていない女子達に期待をさせているだけとしか俺は考えられないからな。


言い方を変えれば、自分で自分の首を絞めているようなもんだ。


……それでも女子って生き物は、本当にうっとうしい。


こっちがどれだけ塩対応をしても、甲高い声を上げて話しかけてくるし、『うるせぇ』と怒ったとしても、相手をしただけで喜ぶ女子というのもいるから、本当に厄介だと思う。