いつからだっただろうか。


俺が、愛菜のことを本気で好きになったのは。


俺はいつからか、愛菜のことを女として本気で好きになっていた。



『おはよう、水瀬くん!』



『水瀬くーん、頑張ってー!』



『水瀬くん、足速いんだね!』



お世辞抜きで、可愛い笑顔で褒める愛菜。



『ゆりあ、おはよ!』



俺の幼なじみであり、自身の親友のゆりあを大切に思う愛菜。



『成績優秀者。1年、久保田 愛菜』



『はい!』



勉強にも怠らず、厳しい教師からも高い評価を受けていた愛菜。


好きなところをひとつずつ上げていけば上げきれないくらい、愛菜には魅力が溢れていた。


そして俺は、いつしか。


愛菜のことはいつしか、
“幼なじみの親友”でもなく、
“ただの女友達”でもなく、



“俺が恋するたった1人の女”として俺は見るようになった。