「キャラメルバナナクレープ、お願いします」
クレープ屋さんで並んでいると、男の人の声が聞こえた。
愛菜が、あたしの腰を肘でツンツン小突いた。
「ねえ、あの人……!」
「あっ……!」
高畑 健二だ。
「しかも今、あの人ゆりあが好きなメニュー選んでたよね?」
キャラメルバナナ、間違いない!
あたしは、いつものようにキャラメルバナナのクレープを食べたけど、ちっとも味がしなかった。まあ全部食べたけどね。
愛菜の好きなメニューは、アイスアップル。
リンゴソースとバニラアイスが入ったクレープ。
リンゴが大好きな愛菜らしいよね。
「ゆりあ、さっきのことが気になってる? あんまり手が進まないね」
愛菜が、心配そうに言った。
「うん、でも好きだからちゃんと食べるよ」
「次、買う時は別のにしたら?」
「そうだね、メニューの端っこあたりにあったイチゴとチョコのクレープ、美味しそうだったし」
「クレープだけじゃなくて、あのワッフルも良さそうだし」
愛菜が指をさした方に、可愛いワッフルのお店もあった。



