俺の宝物は、お前の笑顔。


あたしは、少し落ち着きを取り戻して自分の部屋の中に入った。



「ただいま、ひまわり」



あたしはそう、部屋の中にあるケージに話しかける。


ひまわり、というのは、3月から飼っているハムスターの名前。


あたしが高校に合格して、パパとママに願いをひとつ聞いてもらうことになっていたので、そこで「ハムスターを飼いたい!」と小さな頃からよく言っていたことを話した。


数年前までのママだったら、「生き物は飼いたいって気持ちだけじゃダメ」と言っていて、パパもその言葉に同意だったので買わなかったんだけど。


けれど、もう高校生になるんだし、生き物を飼いたい気持ちだけではいけないことも理解しているだろうと思った両親と一緒に迎え入れた。


それが、このゴールデンハムスターのひまわり。


ペットとして人気なのはジャンガリアンハムスターだと聞いたのだけど、あたしはひまわりを見て、白と茶色という可愛らしい組み合わせに目を奪われて、その子以外考えられなくなってしまったのだ。


そんなひまわりは、あたしがさっきまでイライラしていたことを知らずに、回し車の中でピンクの足を高速で動かしている。



「ひまわりは、男の子に対して悩むことなんてないもんね」



あたしは、そう言いつつもふふっと笑ってしまった。