「ただいま!」
むしゃくしゃした状態のまま、あたしは家のドアを開けた。
「おかえり、ゆりあ。……って、何があったの? そんなに不機嫌そうな顔をして」
「ママ聞いてぇ! 隣の席の男子がさ……」
あたしの話を聞くと、ママは肩をすぼめて笑った。
「確かにね。男の子って、よく分からないもの」
「ほんと! 全っ然分かんないよ!」
あたしが腕組みをしながら思いっきりソファに座ると、茶色くて長い髪の毛がフワッと弾んだ。
「でもねー、世の中本当に色々な人がいるものだから仕方ないわ。そんなに怒らないで。無理して仲良くする必要なんてないのよ」
「ママ! あたしは仲良くしたいから話しかけたわけじゃないよ!」
そう、あたしが怒ってるのはあの態度。
挨拶をされたのに返しもしない。
用がある時だけ話して、ない人に話しかけられたら鬱陶しそうな目で見る。
あれが、人として正しい態度なの?
相手の人が目上じゃないからって、好き勝手な態度とっていい訳じゃなーい!
「あら、そう? まあでも、ゆりあは友達が多いから、それでも楽しい生活はきっと送れるわよ」
ママは、最後まで笑っていた。



