今日から不良王子と同居します。

彼の高校へ電話して処分を少しでも軽くしてもらえるように謝ろうとしたときのこと。


『彼は本当に優秀な生徒なんですが、いかんせんパワーが有り余っているようで。ですが、将来有望ですからこの停学を苦に退学などはしないでいただきたいんです。
課題は多めに出しますが、彼ならすぐに終わらせるでしょうからご自宅でも自主学習に励んでください』


校長先生からはこんな風に寛大な調子で話をされたんだった。


あの時は、とにかく停学処分がショックでなんにも頭に入ってこなかったんだけど。


こういうことだったんだ、確かにかなり優秀な頭脳の持ち主なのかもしれないな。


「あの、玲生くんってもしかしたら、神崎家で英才教育とか受けたりしてた?」


「ああ、そうだよ。家庭教師のおじさんがついてたよ、俺はおばさんでもいいから女の人に教えられたかったんだけどさー」


聞いてないことまでペラペラしゃべってる……。


そうか、やっぱり神崎家ではそれなりの教育を受けていたんだな。


彼がいつまでここにいるのかはわからないけれど、我が家でも家庭教師をつけてあげた方がいいかもしれない。