「音葉、顔真っ赤―、可愛い」


やだ、どうしよ、思い出しただけで顔が熱い。


明日香ちゃんは面白そうに笑って今度は私のお腹に手を伸ばしくすぐってくる。


「きゃーもうやめてったら―」


容赦ないくすぐりから逃げるようにベッドにゴロンと横になった。


「音葉、白状しなさい、その年下イケメンにキスされてときめいた?」


「ときめくだなんて、そういうんじゃないったらー」


「じゃあ、どんなイケメンなのよ、芸能人で言ったら誰?」


「そんなのわかんないよー」


そういえば玲生くんってイケメンだけど芸能人の誰かに似ているとかあんまり感じないな。


彼はなんていうか、テレビで見たどんなアイドルや俳優よりも印象的で。


彼のあの青く澄んだ瞳や陶器のようにきめ細かな肌、整い過ぎた優美な顔立ち。


それらすべてが。


言うなれば唯一無二の存在のような。


「なにうっとりした顔して思い出してるのよ、音葉ったらーそんなんじゃ、直政じゃなくても私も妬いちゃうぞ」


拗ねたように唇を尖らせる明日香ちゃんが凄くかわいい。


「ち、ちがうの」