今日から不良王子と同居します。

彼が明日香ちゃんの言うように嫉妬してるのかはわからないけど私のせいで気分を害してしまったのは確かだ。


「いいんじゃない、別に」


私が不安そうにしていたら明日香ちゃんはけろっとした顔でうーんと伸びをする。


「直政が嫉妬してヤキモキするのなんて珍しくもないんだから。美人の婚約者を持ったら苦労するね、あいつも」


「えっ、ヤダまた明日香ちゃんたらそんな言い方して」


「まあ、直政の機嫌なんて音葉がちょっとにっこり笑いかけてあげたらすぐに良くなるから大丈夫だよ」


「そ、そうかな」


そんなに単純な話なんだろうか……。


まだ不安そうな顔をする私に明日香ちゃんは茶色い大きな瞳をキラッと輝かせて笑う。


そんな彼女はいつにも増して魅力的だ。


「そこはまた私がうまいことやってあげるから、安心して」


「う、うん」


私達の関係はいつもこうだ。


直政くんの考えてることが、私には時々わからなくて、会話がかみ合わないことがあったりする。


なぜかふたりきりで話すとき、彼は急に無口になっちゃうし。