今日から不良王子と同居します。

「そいつがどうなったかなんて気にすることないさ。それより君はもう少し自覚しないといけないよ。君は本当に……」


彼は私の肩に手を置いて、もどかしげな視線を向ける。


なぜだか、なかなか次の言葉を発せないでいるみたいだった。


すると横から明日香ちゃんが、ニッと笑って口を開いた。


「すごく綺麗って言いたいんでしょ？直政、なに照れてるのよ」


「うるさいな……」


彼はうっすら顔を赤らめて目線をさまよわせている。


うわ、直政くんのこんな顔、凄くレアかも。
そんなに恥ずかしそうにされたら私だってどうしていいかわからないよ。


直政くんのしぐさに、思わずドキッとしした。


だけど、彼はコホンと咳ばらいをして真顔になる。
いつものポーカーフェイス。


「とにかく、そいつの情報をもう少し集めよう。神崎の御曹司がそんな不良高校に通っているなんて絶対におかしい。もしかしたら偽物かもしれない。そいつの特徴をもう少し詳しく教えて」


えっ、偽物だなんて。


そこまで言わなくてもいいのに。


確かに不良高校に通ってはいるけど、彼には隠しきれない気品のようなものがある気がする。