今日から不良王子と同居します。

これから、お父様に会うんだった。


「あら。お嬢様、お帰りですか?」


邸の中からばあやの元気な声がしてハッとした。


玲生くんも、驚いたように目を見開き私を地面におろしてくれた。


彼の顔や耳が赤いのは今すぐにはどうにもできないけど、口紅までベッタリ付いているから焦った。


あたふたしながら、それだけは急いでハンカチで拭いてあげた。


顔を見合わせて頷き合うと、急いで真顔をつくる。


私は邸の大きな玄関のドアノブを勢い良く引いた。


「おかえりなさいませお嬢様」


ばあやとメイドさん達が我先にと玄関へ集まってくる。


「音葉おかえりー」


お父様はニコニコ笑いながら大きな身体をゆすり2階から階段を降りてくる。


玲生くんに会うのを昨夜からすっごく楽しみにしてくれてたんだ。


「ただいまー」


私はお邸中に響き渡るくらい大きな声で言った。


「みんな改めて紹介します。
  彼は神崎玲生くん」


みんなの暖かい視線に見守られながら、私は満面の笑顔で心を弾ませ。


そして、世界中に届けとばかりに自信をもって彼を紹介する。


「私の大好きな人です」





(happy end)