今日から不良王子と同居します。

「お嬢様、行ったらだめですよ。巻き込まれたらケガする」


蒼汰くんに肩を掴まれ止められる。


「でもっ」


その時、予想もしていなかったことが起きて心の底から震撼した。


テニスのラケットを持った明日香ちゃんがいきなり彼らに向かって、走り出したのだから。


「明日香ちゃん、ダメ」


私も蒼汰くんを力いっぱい振り切って走った。


玲生くんが直政くんに足をかけられて、たまらず後ろに倒れているところだった。


それは一瞬のことだったけど、スローモーションみたいにゆっくりと見えた。


私達は走り寄った、それぞれに。


大切なひとのもとに。


勇気を出したわけじゃない、なにか考えがあったわけでもない。


ただ無我夢中で勝手に身体が動いただけ。


「玲生くん」


私は倒れている玲生くんに覆いかぶさるように、彼に抱き着いた。


だけど思い切りおでこを彼の肩のあたりにぶつけてしまった。


ガツンって音がする。


「ひやっ」


「音葉さん」