「音葉、お願い。玲生くんに喧嘩はしないでって頼んできて。
直政にもしものことがあったら私……」
「明日香ちゃん」
両手で顔を覆う彼女の肩をそっと抱いた。
もうこうなったら、私が何とかするしかない。
どんなことがあっても、彼らの喧嘩をやめさせないと。
そんな風に決心して彼らの後をついて歩いて行った。
人気のない校舎裏に移動したかと思ったら、直政くんはいきなり玲生くんのジャージの胸ぐらを掴んだ。
すぐに、玲生くんも直政くんの腕をつかんで至近距離で睨み合う。
玲生くんが右手の拳をグッと握り、振り上げる。
直政くんを殴ろうとしたその瞬間。
「やめて……」
私は、力いっぱい叫んだ。
「玲生くん、やめて……」
「……」
「玲生くん、喧嘩しないで。直政くんを傷つけないで」
泣き声が混じった私の声が校舎裏に響きわたる。
「音葉さん……」
玲生くんは私の方を見て、一瞬困惑したようだったけどそのまま諦めたように振り上げた拳を下げてくれた。
直政にもしものことがあったら私……」
「明日香ちゃん」
両手で顔を覆う彼女の肩をそっと抱いた。
もうこうなったら、私が何とかするしかない。
どんなことがあっても、彼らの喧嘩をやめさせないと。
そんな風に決心して彼らの後をついて歩いて行った。
人気のない校舎裏に移動したかと思ったら、直政くんはいきなり玲生くんのジャージの胸ぐらを掴んだ。
すぐに、玲生くんも直政くんの腕をつかんで至近距離で睨み合う。
玲生くんが右手の拳をグッと握り、振り上げる。
直政くんを殴ろうとしたその瞬間。
「やめて……」
私は、力いっぱい叫んだ。
「玲生くん、やめて……」
「……」
「玲生くん、喧嘩しないで。直政くんを傷つけないで」
泣き声が混じった私の声が校舎裏に響きわたる。
「音葉さん……」
玲生くんは私の方を見て、一瞬困惑したようだったけどそのまま諦めたように振り上げた拳を下げてくれた。



