今日から不良王子と同居します。

そこには見覚えのある鮮やかなピンク色の髪色をした男の子が立っていた。


ニコニコと人懐っこい笑顔。


「あ、蒼汰くん」


「うっす」


「久しぶり……だね」


蒼汰くんに会ったにもかかわらず、なんだか気まずかった。


上手に笑うことが出来ない。


蒼汰くんがいるということは玲生くんも近くにいるかもしれない。


今は会いたくない。もちろん、直政くんと会わせたくないから。


幸い、あたりを見まわしても玲生くんの姿はない。


「どうしたんすか?お嬢様。しっかし相変わらずお美しいですね」


「え、そんなことは」


ドンッ。


そんなことないよってぎこちなく答えようとしたら、目の前にいた蒼汰くんがいきなり後ろへ尻餅をついて倒れた。


「ってーな、なにすんだよ」


蒼汰くんが顔をしかめ声を荒げる。


一体何があったのかすぐにはわからなかった。


蒼汰くんは私の右横を睨みながらゆっくりと立ち上がる。


私の右となり、そこにいるのは直政くん。