あれ、そういえば私が玲生くんのことで悩んでいた間、なぜだか彼はあまり私とふたりきりになろうとはしなかったかも。


また以前の私達のように3人一緒にいることが多かった。


ここ最近は、玲生くんのことで頭が一杯で、それを悟られたくなくて普通を装っていた私。


おかしかったとおもう、不自然なところもあったのかも。


もしかしたら、ふたりにはそれがわかっていたのかもしれないな。


それで直政くんはあえて二人きりになろうとしなかったのかな。


ダメだな、私。彼に心配かけて。


いつまでも、塞いでばかりいちゃいけない。


今日からはまた、心から笑って友達と過ごしたいな。


「私、授業をさぼるのなんて初めて。なんだか緊張しちゃうな」


「そ、そうだね。音葉」


ニコニコして明日香ちゃんにそう言ったら、なぜかぎこちない笑顔を返されたような気がした。