「どうしてですか?お嬢様はなにも悪いことなどしてはいませんよ」 ばあやは、優しくそう言ってちいさい子供にするように頭を撫でてくれた。 「ばあやは、お嬢様の選んだ幸せならばどこまでもついていきますから。 もっと肩の力を抜いて、気を楽にしてください。 お嬢様がご自分の幸せを選ぶことがばあやの幸せですよ」 そう言って、そっと抱き寄せてくれたばあやは優しいぬくもりに満ちていた。 亡くなった母が生きていれば、きっと同じように私を励ましてくれたんだろうなって思った。