今日から不良王子と同居します。

贅を尽くした白い洋風の外観は昨年リニューアル工事を終えたばかりらしくてお洒落で美しい。


お邸の前にある大きな噴水はパーティー用にライトアップされていて思わず見とれてしまった。


この建物の立派さときたら、うちのお邸の比ではない。まさにお城って感じで。


話には聞いていたけれど、神崎家はうちとはお金持ちのレベルが格段にちがう。


おごそかな雰囲気のパーティー会場に足を踏み入れると、場違いなような気がしてならなかった。


こういう場にくるのは久々だしすっかりアガッてしまう。


「大丈夫だよ、この中の誰よりも音葉さんが一番きれいだから」


「そんなお世辞はいいよ」
 

「お世辞じゃないよ。そのドレス、とてもよく似合ってる。女神様みたいだ」


玲生くんは歯の浮くようなお世辞を言ってくれるんだけど、私は自信が無くて落ち着かない。


私のドレスは母からのおさがりをサイズ直ししたもので、薄いパープルのドレス。


レースを控えめにあしらっていてタイトなスカートで大人っぽい雰囲気。