今日から不良王子と同居します。

そんな気持ちを彼に押し付けるのは筋違いなのかもしれないけれど。


だけど、こんな話を持ち出してでも、彼にはお祝いのパーティーにはいってあげて欲しかったから。


きっと、そんな特別な日に彼のお母さまだって彼に会いたいに決まってるよ。
しばらく彼に会っていないんだしなおさら。


彼は気まずそうに私を見て、諦めたようにため息をつく。


「はいはい、行けばいいんだろ。自分のことでもないのにそんなに悲しそうな顔するなよ」


彼は起き上がって私の隣に座る。そして心配そうに私を見つめてくる。


え?私って今どんな顔をしているんだろう。


母のことを想うときはいつだって泣きそうになるけど、そんなにつらそうに見えたのかな。


「いいよ、行くよ。行って、お母様お誕生日おめでとうございます、って言ったらすぐに帰るけどそれでもいい?」


「うん、それでいいと思う」


「俺、今家出中なんだけどな……」


彼が情けない顔をしてぼやくから笑ってしまった。