今日から不良王子と同居します。

いけない、彼のような人には毅然とした態度をとらなきゃいけないんだ。


悔しいほど押されてばかり。


このままだと、完全に彼のペース。


これ以上舐められたらたまらない。


「神崎さん、私は父からあなたの面倒を見るように頼まれていますけど、昨夜のようなことは金輪際お慎みくださいね」


テーブルの下に隠した拳をギュッと握って、一生懸命年上の威厳を醸しだせるように心がけた。


どうかな、今ので伝わったかしら?


でも、年下相手にちょっとキツく言い過ぎだったかな。。


気が弱い私は、誰かを怒ったりすることは苦手。


彼の方を見ると、頬杖をついてけだるげにこちらを見つめている。


あんまりじっと見つめられて恥ずかしくて微妙に視線をずらした。


なんだろう、そのふてぶてしくさえ見える態度にもドギマギしてしまうなんて。


彼はふぅっとため息をついた。


「昨夜のようなことって?」


「だから、キッ」


「ああ、キスね。あのくらい挨拶だよ。アイムソーリー」


う、なんか発音綺麗だし。