今日から不良王子と同居します。

「見た見た、吸い込まれそうなくらい綺麗。16歳なんだって、可愛いわぁ」


「物語から抜け出たような王子様みたい。イギリス系のクオーターなんだって」


「美少女の音葉お嬢様と並んだらきっとお似合いよ」


彼女達は玲生くんに興味津々といっだ様子。


そっか、あの青い瞳はクオーターだからなんだ。


普段はそんなことはないのに、彼女達は仕事もそっちのけで玲生くんに見惚れている。


ちょっとびっくりして絶句。


「……」


さっきはばあやの言ってたことに呆れていたけれど、たしかに玲生くんは女性の興味を集めるみたいだ。


「これ、あなた達、何をしているんです?お客様をジロジロ見るなんて失礼でしょ」


ばあやが注意したらメイドさん達は慌てて謝り出す。


「あ、華子さん。すみません」


「ごめんなさい、仕事へ戻ります」


華子さんていうのは、ばあやの名前。


大河内家一のベテランだからみんなから一目置かれている。みんなばあやが怖いみたい。


「さあさ、お嬢様、部屋へお入りください」


「う、うん」


私は意を決してばあやが開けてくれた扉の中へ足を踏み入れた。