そんな相手がいることすら話題にしたことはない。
黙っていたことに、深い意味はないはずだけど。
「音葉さん、どうしたの?」
玲生くんがいぶかしげに私と直政くんを見ている。
その視線が痛くてちょっと俯いた。
答えられない私のかわりに直政くんが説明する。
「音葉と俺は婚約してるんだ。
卒業したら結婚しようと思ってる。
神崎くん、君もそのことをよく覚えておいて欲しい」
卒業したら結婚って?直政くん、なんのことを言ってるの?
そんな話はもちろん初耳だった。
あんまり性急すぎるよ。
彼の言葉にショックを受けていたのは、そのことを玲生くんにこうもはっきりと、宣言されてしまったから。
どうして、そんなことまでいちいち玲生くんに言わなくちゃいけないんだろう。
別に黙っていたってかまわないのに。
「玲生くん。違うの、そうじゃなくて」
何を言い訳しようとしていたのか、慌てて彼に声をかけたけどそれ以上続けられなかった。
直政くんと婚約しているのは事実なんだから。
「……」
玲生くんは驚いたように目を見開き絶句している。
黙っていたことに、深い意味はないはずだけど。
「音葉さん、どうしたの?」
玲生くんがいぶかしげに私と直政くんを見ている。
その視線が痛くてちょっと俯いた。
答えられない私のかわりに直政くんが説明する。
「音葉と俺は婚約してるんだ。
卒業したら結婚しようと思ってる。
神崎くん、君もそのことをよく覚えておいて欲しい」
卒業したら結婚って?直政くん、なんのことを言ってるの?
そんな話はもちろん初耳だった。
あんまり性急すぎるよ。
彼の言葉にショックを受けていたのは、そのことを玲生くんにこうもはっきりと、宣言されてしまったから。
どうして、そんなことまでいちいち玲生くんに言わなくちゃいけないんだろう。
別に黙っていたってかまわないのに。
「玲生くん。違うの、そうじゃなくて」
何を言い訳しようとしていたのか、慌てて彼に声をかけたけどそれ以上続けられなかった。
直政くんと婚約しているのは事実なんだから。
「……」
玲生くんは驚いたように目を見開き絶句している。



